過酸化水素(H2O2)を滴定した場合、試薬(過マンガン酸カリウム(KMnO4))を添加していくと図1のようにORP電位(酸化還元電位)が変化します。試薬を滴下するにつれORP電位は上がっていき、特に当量点に近づくとORP電位が急激に変化します。過酸化水素の場合、750mV付近で大きく変化します。
CCC METERⅡはこの原理を利用し、フローインジェクション方式にて過酸化水素濃度を測定します。
フローインジェクションとは、細いチューブなどにサンプルを連続的に流し、その溶液中に液体試料や試薬を注入。化学反応させてから、ORP電位などを測定し、濃度分析する方法です。
図2のように一定の希釈水を流した系にサンプル(H2O2)を一定量流します。その後、硫酸(H2SO4)、試薬(KMnO4)を入れORP電位を測定します。サンプル液(H2O2)の供給量は一定ですが、濃度(加工液濃度)は随時変化しています。そこで、試薬量を変化させ常に当量点(750mV)になるように制御します。750mV以下のときは試薬量を増加させ、逆に750mV以上のときは試薬量を減らし、常に当量点を探すように制御しています。CCC METERⅡでは、この試薬量を把握し過酸化水素の濃度に換算しています。
(1)「加工槽」の加工液を循環ポンプで循環します(「循環ポンプ」→「加工槽」→「調整槽」)。
(2)循環中、加工液の一部は「CCC METERⅡ」へサンプリングされます。
(3)サンプリングされた加工液の濃度を連続滴定にて測定します。
(4)設定濃度に対して測定濃度が低い場合は、フィードバックし、「濃度調整用ポンプ」にて濃度調整します。
(5)(1)~(4)を連続的に行います。
上記はシステムの一例です。お客様の仕様に合わせて設計します。